カヌレの歴史

カヌレの歴史

カヌレとは

カヌレの正式名称はカヌレ・ド・ボルドー(Cannele de Bordeaux)といい、カヌレとはフランス語で『溝のついた』という意味があります。
名前の通りカヌレには縦に12本の溝が入っており、釣鐘のような独特の形をしています。

カヌレは外側はカリッと、内側はしっとりもっちりとした食感が特徴で、バニラの甘い香りと濃厚な味わいが魅力のフランスの伝統的な焼菓子です。
卵黄、バター、牛乳、砂糖、薄力粉を混ぜて作った生地に、ラム酒やバニラビーンズで香りづけして焼き上げます。
焼き上げる際にミツバチが作り出すロウ「蜜蝋」をカヌレ型と呼ばれる専用の焼型に塗ることで、表面はキャラメリゼされツヤと輝きのある褐色に焼きあがりカリッとした食感に仕上がります。

カヌレの誕生

カヌレは世界的に有名なワインの産地、フランス・ボルドー地方に伝わる伝統の焼菓子です。
実はカヌレの誕生には赤ワインの製造と深い関わりがあります。

ボルドーでは、ワインを製造する過程で不純物を取り除くために大量の卵白を使用する『コラージュ』という伝統的な作業があります。
コラージュでは卵黄は使用しないため大量に余ってしまいます。そこで余った卵黄を活用するためにカヌレが考案されたと伝えられています。

またカヌレの歴史は古く、16世紀頃にボルドー地方の女子修道院の姉妹が作った棒状の小さなお菓子が始まりとも言われています。
17世紀になると貿易が進み、アメリカ大陸から当時貴重だった砂糖やラム酒、バニラなどが持ち込まれ、カヌレの風味づけに使われるようになりました。
しかしその後、フランス革命により聖職者は追われカヌレに関する資料は消失してしまいます。
それを機にカヌレは一度姿を消したのですが、1830年ごろボルドーのパティシエにより復活。その際に今の形になったと言われています。

20世紀初めにはボルドーの郷土菓子として知られる存在となり、1985年にはカヌレの伝統を引き継いでいく為の同業組合が結成されました。

そして現在、アキテーヌ地方には800ものカヌレ業者があるそうです。

カヌレの特徴

【カヌレ】と聞いて一番に頭に思い浮かべるのは、ころんとしたお花のようにも見える特徴的なあの形では無いでしょうか??
お店によって大きさは違えど、あの溝のある独特な形こそがカヌレですよね。

そしてもうひとつは、表面はカリッと、中はしっとりとした食感で、バニラとラム酒の風味が香るのも特徴的です。

カヌレの名前の由来

カヌレの正式名称はcannelé de Bordeaux(カヌレ・ド・ボルドー)です。
フランス語でcannelé(カヌレ)とは「溝のついた」と言う意味で、Bordeaux(ボルドー)とはフランスにあるカヌレ発祥の地の事を指します。

名前の意味を知ると、カヌレと言う名前は『溝のついたお菓子』とずいぶんストレートな名前だったことにも気が付きますよね。

日本でのカヌレの歴史

フランスのボルドー地方の伝統菓子であるカヌレ。
1990年代のフランス菓子ブームがきっかけで日本でもカヌレが知られるようになり、当時カヌレを扱う洋菓子店やベーカリーでは行列ができるほど大流行しました。
しばらくして一度人気は落ち着きますが、2020年代に再び注目されブームとなりました。

90年代の第1次ブームの時は、本場のカヌレを再現したスタンダードなカヌレが販売されていましたが、2020年代の第2次ブームでは、たくさんのフレーバー、新食感、SNSで映えるようなデコレーションされたカヌレなどのアレンジを加えた『進化型カヌレ』が流行しました。
現在はカフェや洋菓子店ではもちろん、コンビニエンスストアでも販売されるほど身近で、日本でも愛される定番スイーツとなりました。

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