

皆さんはカヌレを購入した事はありますか??
カヌレブームとともに、日本でもカヌレ専門店が増えて、最近ではパン屋さんやスーパー、コンビニなどでもお手軽にカヌレを購入する事が出来る様になりました。
お店によって大きさは様々ですが、小さい割に『高いな〜』と感じた事はありませんか??
カヌレが高いのにはいくつかの理由があるんです。
カヌレを作る過程で使われる『蜜蝋』『バニラビーンズ』などは高価なものが多いです。
美味しいカヌレを作るために研究して、製造しているカヌレ専門店こそ、>質の良い高価な材料を使用している事が多く、スーパーやコンビニのカヌレと比べるとどうしても高いカヌレになってしまうんです。
蜜蝋とはミツバチが巣を作る為に分泌するロウ状の物質で、一度に沢山の量が取れないのと、どこにでも売っているものでは無いので簡単に入手出来ないのです。
生地を流し入れる前のカヌレ型に蜜蝋を塗る事で、カヌレ特有のカリッと感を味わう事が出来て、より本格的なカヌレを作る事が出来ます。
聞き馴染みのあるバニラビーンズですが、実は世界で2番目に高価なスパイスと言われています。
バニラビーンズは限られた気候・限られた土地でしか育てることが出来ないのに加え、自然災害や温暖化の影響も重なりかなり栽培が困難になってきています。
収穫してからも熟成・発酵に2、3ヶ月掛かるそうで、莫大なコスト・手間・時間が掛かる事からどんどん値段が上がっているのです。
カヌレの生地を作る際、約12時間〜24時間程度、生地を寝かせる必要があります。
生地をしっかりと寝かせることによって生地自体が馴染み、オーブンで焼く際に型から溢れ出す失敗が少なくなるのです。
焼くまでに最低でも12時間生地を寝かせる必要があるので、それだけでもかなりの時間が必要になります。
カヌレを焼く際は、220度以上の高温で数十分間焼いて、そのあと少し温度を下げて焼成。
基本的に合計で60分間以上の焼き上げが必要となるのです。
お店の作り方によっては途中で前後を回転させたり、アルミホイルを被せたり、と焼いている途中でも目が離せないのでかなり手間が掛かります。
しかし、焼き時間や温度が少しでもズレると食感が変わってしまい美味しいカヌレにはならないので、重要な製造工程のひとつなんです。
カヌレの作り方は複雑で、薄力粉と強力粉の絶妙な配合バランス、混ぜ方、焼き方や焼き加減など、気を付けなければならない工程が沢山あります。
なので、機械での大量生産が難しく、多くがパティシエによる手作業での製造となっているのです。
「カヌレは高いので自分では買わない。」と言う声を時々耳にします。
確かに、カヌレは人から貰ったり、お祝いや手土産として人に渡したりする時に利用する人が多いイメージです。
しかし、上記でお話しした『カヌレが高い理由』を読んで頂けたら、皆さんにも「どうしてカヌレが高いのか?」とゆう疑問について納得して頂けたのでは無いでしょうか?
また、カヌレを作っているパティシエや、カヌレを販売している企業側の「美味しいカヌレを食べてほしい」と言う想いが強ければ強い程、食材にこだわっているので値段を見ると高いかもしれませんが、その代わりに、フランスのボルドー地方で作られている本場のカヌレに近い『本当に美味しいカヌレ』を味わう事が出来ると思います。
これを読んでくれた方には、様々なお店の様々なカヌレを一度食べてみて、自分自身が「美味しい!」「高くても食べたい!」と思う様なカヌレにぜひ出会ってほしいと思います。